世界にはアメリカ・イギリス以外にも、英語を公用語としている国が多くあります。
一口に英語といっても、各国の歴史的背景や地理環境によってその国特有の特徴がみられます。
国ごとの特徴や違いを覚えておくことで、世界公用語としての英語をより深く理解できるでしょう。
今回はアメリカ英語、イギリス英を始め、各国の英語の特徴や違いについて紹介します。
「世界の英語の違いを知りたい」「どの国の英語を学ぶか悩んでいる」と考えている人は、ぜひ参考にしてください。
(ファイナンシャル・
プランニング技能士)
英語を公用語としている国
英語を公用語・準公用語としている国は世界191か国中50か国あります。
- インド・アイルランド・ジャマイカ・シンガポール・パキスタン・香港・南アフリカ共和国など
この記事では以下、7ヶ国の英語について詳しく紹介します。
- アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド・フィリピン・シンガポール
アメリカ英語とイギリス英語の違い
世界の英語と聞いて、最初に出てくるのはアメリカ英語・イギリス英語でしょう。
日本の英語教育で規範となっているのはアメリカ英語です。
アメリカ英語のほうが、親しみを感じる人は多いのではないでしょうか。
ただし、世界的にはイギリス英語のほうが主流。
ビジネスや公式な場では、イギリス英語が好まれる傾向にあります。
まずは、この2大英語の違いを把握しましょう。
発音とスペルの観点から、それぞれの特徴や異なる部分を紹介します。
発音
アメリカ英語とイギリス英語は、発音に明確な違いがあります。
- アメリカ英語:単語と単語を繋げて話すことが特徴。音声変化が頻発する。
- イギリス英語:単語と単語を区切って話すことが特徴。発音がクリアで上品なイメージ。
両者のおもな違いは次の通りです。
アメリカ | イギリス | |
---|---|---|
Rの発音 | 舌を巻いた音 例)car(カーの最後は舌を巻く) | 母音(a, i, u, e, o)の後にくるRは発音しない 例)car(カーの最後に舌を巻かない) |
Tの発音 | ラに近い音になる 例)water :ウォーラー | しっかりと発音する 例)water:ウォーター |
Aの発音 | アとエの中間音 例)apple(ェアップル) | アに近い音 例)apple(アップル) |
canの発音 | キャン | カン |
その他にも細かな違いが多くあります。
これからアメリカ英語・イギリス英語のどちらを学ぼうか悩んでいる人は、好みの発音を選んでもよいですね。
スペル
スペルにも多くの違いがみられます。
どちらのスペルが正しいというわけではなく、違いがあることを理解しておくことが大切です。
おもな違いは次の通りです。
違い | アメリカ | イギリス |
---|---|---|
単語の語尾のeとrが入れ替わる | center (中心) letter(手紙) | centre lettre |
動詞の語尾がアメリカでizeとなるものが、イギリスではiseになる | apologize (謝罪) recognize(認識) | apologise recognise |
アメリカでeがイギリスではae/oeになる) | pediatric(小児科) | paediatric |
イギリスでは語尾がorのoとrの間にuが入る | color(色) favorite (お気に入り) | colour favourite |
語尾がアメリカでogとなるものが、イギリスではogueとなる | catalog(カタログ) dialog(ダイアログ) | catalogue dailogue |
アメリカ英語ではlは1つのものが、イギリス英語ではllと2つになる | Jewerly(ジュエリー) traveled (travel:旅行するの過去・過去分詞形) | Jewellry travelled |
その他にもイレギュラーな違いが複数ある | gray (グレー) tire (タイヤ) airplane (飛行機) | grey tyre aeroplan |
大まかな違いを把握しておくことで、知らないスペルに出会った際も文脈から予想できるようになりますよ。
カナダ英語の特徴
カナダ英語は、アメリカ英語とイギリス英語の両方の特徴が交じっています。
- イギリスの植民地だった歴史とアメリカと国境を面している地理的背景により、両方の特徴がミックスされた
カナダ英語は、アクセントや訛りが少なくキレイな英語と言われています。
また、穏やかな国民性も相まって、ゆっくりと落ち着いた英語を話す人が多いです。
カナダ英語の特徴を紹介します。
発音
発音は基本的にはアメリカ寄りです。
ただし、一部イギリスに近い発音もあります。
- Z単体の発音:アメリカがズィーなのに対し、カナダはイギリスと同じ「ゼット」
- O:アメリカはアに近いが、カナダはイギリスと同じ「オ」に近い音
カナダ英語は、イギリス英語ほど単語と単語を区切りません。
また、アメリカ英語のように早口で舌を巻かないことも特徴です。
スペル
スペルも、アメリカ英語とイギリス英語の両方の特徴を持っています。
- アメリカ英語と同じスペル:realize
- イギリス英語と同じスペル:colour・centre
カナダ英語特有の表現
カナダ英語特有の表現もあります。
-
“Eh?”:共感を求める時に文末に”eh?”とつけます。アメリカ英語の”Right?”のようなニュアンスです。
例)The movie was good, eh?(この映画、良かったよね?)
また、トイレを表す単語もカナダ、アメリカ、イギリスでぞれぞれ異なります。
- カナダ:washroom
- アメリカ:restroom
- イギリス:toilet
留学や旅行の予定がある人は覚えておくと便利ですね。
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オーストラリア・ニュージーランド英語の特徴
オセアニアに位置するオーストラリアとニュージーランドは、植民地時代の名残でイギリス寄りの英語です。
ただし、独自性の強い訛りや表現があることから、オーストラリア英語はオージーイングリッシュ、ニュージーランド英語はキウイイングリッシュと呼ばれています。
それぞれの特徴を紹介します。
発音
オーストラリアもニュージーランドも、独自の発音をする単語が多くあります。
- eiがaiの音になる:Dayはデイではなく「ダイ」
- rを巻き舌で発音しない
オーストラリア訛りで最も特徴的なのは、eiの発音です。
たとえば、Dayはデイではなく「ダイ」、Todayは「トゥダイ」となります。
ニュージーランドにも独自の発音があります。
- eがiの音になる:Yesはイエスではなく「イィス」
- iがəの音になる:sixはシックスではなく「スックス」
スペル
オーストラリアもニュージーランドも、スペルは基本的にはイギリス英語と同じです。
オーストラリア・ニュージーランド特有の表現
オーストラリア・ニュージーランド特有の英語表現を紹介します。
現地で日常的に使われているスラングは、語尾を”ie”に変える表現です。
- bearkfast(朝食)はbreakie(ブレーキー)
- australian(オーストラルアの)はaussie(オウジー)
- biscuit(ビスケット) はbiccy(ビッキー)
- chocolate(チョコレート)はchoccy(チョッキー)
また、オーストラリアでは”How are you?”の基本挨拶を“Good day, mate”と言います。
オーストラリア以外では使われない表現です。
その他にも、英語を短縮する特徴もあります。
- Thank you : Ta(タ)
- cup of tea:cuppa(カッパ)
- afternoon:arvo(アーヴォゥ)
フィリピン英語の特徴
フィリピンは、アメリカ統治下にあった背景からアメリカ寄りの英語を話ます。
公用語はタガログ語ですが、授業は英語で行われ、ビジネスシーンでも英語が使われることが多いです。
公用語であるタガログ語が混ざっていることからタガリッシュと呼ばれています。
特徴を紹介します。
発音
フィリピン英語は、タガログ語の特徴がミックスされていることから「訛っている」と感じる人もいるでしょう。
フィリピン英語の発音の特徴は、おもに次の2点です。
- fがpに近くなる:familyはファミリーではなく「パミリー」
- bがvになる:veryはヴェリーではなく「ベリー」
スペル
スペルはアメリカ英語と同じです。
フィリピン英語特有の表現
フィリピンのみで使われている独自の英語表現もありますよ。
代表的なものは次の通りです。
- comfort room:トイレ
- dirty kitchen:屋外にあるキッチン
- gimmick:友人との夜遊び
シンガポール英語の特徴
シンガポールには、4つの公用語があります。
- 英語
- マレー語
- 中国語
- タミル語
シンガポールで使われている英語は、中国語やマレー語から影響を受けています。
アメリカ英語ともイギリス英語とも異なる特徴が多く、シングリッシュと呼ばれていますね。
特徴を紹介します。
発音
シンガポールは、中華系が8割程を占めます。
そのため、発音は中国語の影響を大きく受けていることが特徴です。
シンガポール英語の発音のおもな特徴は次の通りです。
- 単語の語尾の子音が発音されない:Japanesは「ジャパニッ」
- 長音が省略される:walkはウォークではなく「ウォッ」
- thの発音がt/dに変化する:thingはシングではなく「ティング」
スペル
シンガポール英語のスペルはイギリス寄りです。
シンガポール特有の表現
シンガポール英語には独自の文法ルールや表現が多くあります。
おもな例は次の通りです。
- be 動詞、to不定詞、主語が頻繁に省略される
- 過去形、未来形を使わず原型で表現する
- 名詞は全て単数形を使う
- 語順が異なる(例:You eat what?何食べたの。)
また、中国語の影響から文末にlahやmehをつける表現も一般的です。
- lah:〜だよの意味
- meh:〜ですか?の意味
たとえば「いいよ!」はOK,lah!、「これほしいですか?」はYou want this meh?となります。
たくさんの種類がある世界各国の英語の特徴のまとめ
今回は、世界各国の英語の特徴について紹介しました。
各国の英語は、歴史的背景や地理的な影響を受けて独自の発展をしていることが分かりますね。
大まかな違いを知っておくことで、馴染みのない英語でも戸惑わずにコミュニケーションが取れるようになるでしょう。
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