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【県の子育て支援のDXを実現!】LINE×チャットボットで子育て世代の悩みに寄り添う取り組みとは

山口県 健康福祉部 こども・子育て応援局 こども政策課 主査 久保田 尚稔 さん

  • 導入サービス

    Omotenashi Suite

  • 業種

    Other Types of Business

  • 課題

    Improve Efficiency

山口県庁において、結婚応援や子育てに関する意識啓発、教育・保育施設に関する業務、母子保健対策など、子育て支援や少子化対策の推進につながる業務を担当するこども政策では、子どもや子育て家庭を支えるための県民運動を幅広く推進しており、結婚を望まれる方への機会の提供や子育て支援団体等の支援、男性の家事・育児参加の促進や中学生・高校生が子育てに触れることができる機会の創出、子育てに関する様々な相談への対応等を行っています。

同課ではDXを推進する施策の1つとして、2022年4月より「おもてなしSuite」のチャット機能の活用を開始。山口県こども政策課のLINE公式アカウント内のチャットボットに「おもてなしSuite」を導入することで、妊婦や子育て中の方々が子育てに関する悩みや不安について、いつでもコンシェルジュに気軽に相談できる環境を整えました。

■熊本県での導入実績が安心につながった

  


山口県にて運用しているLINE公式アカウント「山口県子育てAIコンシェルジュ」

  

  

ー現在どのようにチャットボットを利用されていますか。

  

久保田:山口県こども政策課のLINE公式アカウントにAIチャットボット機能を導入し、子育て支援に係る情報提供とサービスの基盤を提供しています。「とりあえずここにアクセスしたら子育て関連の情報がわかる」状態を目指しており、様々なアナウンスも行っています。
LINEアカウントの運用は山口県で行っていますが、Q&Aは県内の市町の御協力もいただきながら作成しています。

  

  

ーAIチャットボット導入の背景を教えてください。

  

久保田:現在の子育て世代のうち、多くの方は就業していると見込まれ、時間的にも精神的にも、余裕がないことが推測されることから、「いつでも」「どこでも」「すき間時間に」「手間をかけずに」情報収集や手続きを行う仕組みをつくっていくことが、多忙な子育て世代に必要な対応だと考えていました。
そのような状況の中、2020年の新型コロナウイルス感染症の拡大により、人と人との接触が大幅に制限され、行政分野を中心にデジタル化の遅れが明らかとなり、子育て支援に関しても、対面を中心とした手法だけでは十分に支援が行き届かない状況が生じたことから、これらの課題を解決するために、情報収集を行っていました。

  

  

ーAIチャットボット導入の決め手は何でしたか。

  

久保田:九州・山口9県と経済団体で構成する九州地域戦略会議の子育て支援プロジェクトチームにおいて、同様の課題解決にAIチャットボットを導入して取り組んでいた熊本県様の取組を知る機会がありました。LINEという身近なツールを活用したサービスであること、時間や場所に縛られずに最適な回答やサービスに導くことができるため、導入について検討を始めました。

  

導入の決め手となったのは、熊本県様で既に運用実績があり、AIチャットボットの回答精度も担保され、直ちにサービス展開ができると考えたことです。利用実績があり、導入時の懸念点がある程度解消されているのは、安心だと感じました。

  

■「子育て世代特有の孤独感を軽減できた」との声が得られた


LINE公式アカウント「山口県子育てAIコンシェルジュ」の実際の画面

  

  

ー導入後の効果を教えてください。

  

久保田:2024年3月時点で、チャットボットを搭載したLINEアカウントのお友達登録数が約10,000人となっており(※1)、毎月100人以上のペースで増えています。エンドユーザーへアンケートしたところ、実際にチャットボットを利用されたことがある人がたくさんいらっしゃいました。

  

※1:参考情報として2022年の山口県の出生数は7,978人
   山口県主要基礎データ(健康福祉部)より引用

  

中でも、いわゆる「孤育て(こそだて)※2」の状況下で、チャットボットに救われたとおっしゃられた方もいらっしゃいました。子育て世代の孤立や不安感に関しては、以前から課題として挙げられており、これまでは窓口や専用ダイヤルで対応していましたが、相談できる時間や場所に制限がありました。チャットボットは時間や場所にとらわれずに対応でき、すぐに質問や相談ができるので、孤立を防ぐためのツールの一つとして有用だと感じています。
導入後のユーザー分析レポート等においても、同様の結果が出ているので、現実とつながった印象を受けました。

  

※2:「孤育て(こそだて)」とは、親族や近所の方などのまわりの協力が得られず、孤独な状態で子どもを育てている状態のことを指します。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/miraiswitch/article/article37/

  

■メンテナンスは手軽で、充実したサポートが嬉しい

  

  

ー運用に関して不安な点はありませんでしたか。

  

久保田:異動してすぐチャットボットの運用担当になった際は不安もありましたが、カスタマーサクセスの方々がフォローをしてくださるので、今は問題なく運用できています。
ユーザーに少しでも満足していただきたいため、チャットボットの回答内容等を改善・充実していく必要があるのですが、限られた知識で担当者だけで対応するのは難しいため、適時適切な改善策を提案してもらえると嬉しいです。特に毎月のレポートは詳細なものをいただいており、チャットボットの回答内容等に関する改善に向けた提案はとても助かっています。
メンテナンスの手軽さ、サポートの充実が大事だと考えています。

  

  

ー今後、山口県として県民の方に向けたDXや取り組もうと思っていることはありますか?

  

久保田:子育て支援・少子化対策も含め、あらゆる分野、地域で、デジタルの持つ力を積極的に活用し、これまで解決が困難であった課題を解決し、新たな価値を創造することを目指していく必要があると考えています。また、これらの個々の取組に関する情報を、必要な県民の方に確実にお届けできるように取り組んでいきたいと考えています。

  

  

ー今後も企業のご担当者様にも、そして顧客であるユーザーにとっても、時間や場所にとらわれずに「的確」かつ「安心」を提供できるサービスの開発を目指してまいります。貴重なお時間をありがとうございました!!